2007-02


TITLE: 重要なのは、私を構成する細胞なのではなくて

DATE: 2007/07/01 23:35

どれだけ何を喪(うしな)っても
どれだけ何を葬(うしな)っても
私は私でしかないのです

腕をなくしても
脚をなくしても
声をなくしても
音をなくしても

何一つ変わらずに
この魂を持った
この存在です




TITLE: たとえ記録には残らなくても

DATE: 2007/07/19 00:02

たとえば息を詰めて声を殺して
そうやって生きた先に何があるというの

悲鳴を殺しても
痛みを潰しても
どうやっても発生した事実を取り消す事なんて出来ないのに

ぼろぼろになるのはあなたの方でしょう
麻痺して壊死して感じなくなっていって

そうまでして生きている意味があるの
生きていく価値があるの この世界に




TITLE: 僕を想って 夢にまで見てくれるかな

DATE: 2007/07/27 00:10

君が
苦しんで苦しんで苦しんで
苦しみぬいて死んでくれたら
すごく嬉しい

痛みに泣き叫んで
苦しさに泣き喚いて
情けなく取り乱してくれたら
すごく嬉しい

だから ね
せいぜい僕を喜ばせないように
歯を食いしばって耐えて
声を殺して
感情を殺して

ああ君に 苦しんで苦しんで苦しんで苦しみぬいて そして死んでほしい




TITLE: だからあなたは 永遠にすべてを弄ぶ

DATE: 2007/08/02 22:29

茹だるイデオロギ
矛盾するエトス

正しい事なんてひとつもない
聖なる物なんてひとつもない

いつか
すべてが善なるものになったとき
神さま
あなたは用済みとなる




TITLE: 信じなくてもいい。だけど、どうか。

DATE: 2007/08/05 20:46

どんな時もわたしは
出会ったあの時から、
あなたのことを許していましたよ
あなたのために潰えることなど
哀しいことではなかったのです

あなたはきっと自分を許せないでしょう
あなたはきっと自分を責め続けるのでしょう

それでも
それでもわたしは
あなたがあなたを責めているときでさえ
あなたを許しているのです




TITLE: わたしが殺してきた 幾人ものわたしへの弔いを

DATE: 2007/08/06 02:20

皆 抗わず死んでいきました
断末魔は長く長く上げていたけれど

時には機関銃で
完膚無きまでに撃ち殺し

時にはナイフで
淡々と刺し殺して

時にはロープで
優しく縊り殺した

皆 哀しく死んでいきました
死体は腐り 骨が残ったけれど

殺したわたしは
血に塗れ
咎に埋もれ
それでもまだ生きています

殺したわたしは
屍を踏みつけ
骨を凶器にして
醜くまだ生きています

飛び散った肉片で土壌は豊かになったけれど
流された血は声は こびりついて消えない




TITLE: 怪物は急には止まれない

DATE: 2007/08/07 02:07

それ以上喋ったら
その首をへし折ってあげる

口の聞き方には気を付けなさいよ
あたしの中には
あなたが植え付けて
あなたが育てた
獰猛な それはそれは獰猛な
醜い怪物が 居るのだから

今は
爪をしまって牙を隠して
にこにこと穏やかに笑っているけど

気を付けなさいよ
それ以上  喋 っ た ら 、




TITLE: no title

DATE: 2007/08/13 22:30

罅割れた隙間から
這い出てくる恐怖を
叩き潰して
踏み躙って

断末魔さえ許さずに尽滅せよ

侵蝕のカウントダウンは
もう 疾うの昔に始まっている




TITLE: 清く正しい『人間』だなんて 思っているの?

DATE: 2007/08/14 04:42

人間の皮を着た醜いゲテモノよ
お前が誰かを罵る言葉は
お前自身を貶めていくんだよ

お前が罵る度
お前はどんどん醜くなる
角が生え口が裂け
お前はどんどん落ちぶれる

いっそ人間であることを止めてしまえばいいのに
そんな姿で 人間であろうとなんかしているから
醜いと謗られるのだ

身の程を知るといい
お前はお前が思うよりずっと
低俗で醜悪な
歪んだ異形でしかないんだよ




TITLE: あなたと わたし

DATE: 2007/08/16 05:33

あなたと私の繋いだ手
伝うものは?
交わすものは?
流れるものは?

きっと侵蝕するのは私の方
後から気付いても離せない離さない

失われていく己に 恐怖の悲鳴を
侵害されていく自我に 狂気の叫びを

愚かで浅はかなあなたの手を
私はけして離したりなんかしない




TITLE: そっと口を噤んで 静かに微笑って

DATE: 2007/08/25 00:55

心にかけた鍵をかけ直す
新しく もう一つ

何も入り込まないように
何も出て来られないように

全部閉じこめて




TITLE: ただ通り過ぎるばかりで 何にも響かない

DATE: 2007/08/25 01:05

殺すことでしか許されなかった
殺したところで許されなかった

ずっと
平行線で
ずっと
交わらない

全部 遠い世界の出来事で
わたしはひたすらに傍観者

透明だけど 厚い壁
声も 腕も 熱さえ

もう腕は伸ばさない
届かないと 知っているから
もう誰の名も呼ばない
聞こえないと 知っているから
もう何にも近付かない
気付かれないと 知っているから


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