2014


TITLE: 無題

DATE: 2014/01/26 02:46

殺して埋めます。
これは要らない物だったから。使われない物だったから。
花を咲かせる必要など無いものなのです。
けれど願わくは。
いつか大地を潤し。
いつか他の才有る種の揺り籠となりますよう。
目には見えずとも。
感じられずとも。
いつか。
いつか。




TITLE: 近付くなら殺す

DATE: 2014/02/15 02:04

私の叫びを聞いて気が狂えば良い
汚染してやる
侵食してやる
取り返しの付かない傷を負えば良い
泣いて喚いて
許しを請うて
この絶望をお前にも植え付けてやる




TITLE: R.I.P.、どうか、R.I.P.

DATE: 2014/03/09 07:57

墓を作ることにしたのです。私の骨を埋める為のものではなく。
ただ、想いを、弔うのです。
愛しく想う心を埋めます。
幸せを願う心を埋めます。
安寧を祈る心を埋めます。
必要の無いものなので、葬るのです。
きっと良い養分になって、土壌を豊かにするでしょう。
それだけが。それだけが許されたことでした。
芽は出ずとも、花は咲かずとも、実は生らずとも。土に還ることぐらいなら出来るのです。
R.I.P.、どうか、R.I.P.




TITLE: sorrowless

DATE: 2014/03/10 00:23

そう、これは墓標を作る作業なのです。
そうとは分からぬように淡々と木の杭を打ち付けていく作業なのです。
墓碑銘は要りません。
何が死んでいるのかではなく、何かが死んでいるということだけが重要なのです。
否、或いはそれすらもどうでも良いことなのかも知れません。
死さえがそこにあればきっとそれで十分なのです。
墓なのかもしれないと、そう思わせるだけで良いのです。
どうか晴れ渡った空の下、苔生し古びた木の杭が、何の悲劇の気配も無く。
ただ木漏れ日に照らし出されていますよう。




TITLE: 不屈の精神なんて要らない

DATE: 2014/03/24 05:05

何度でも起き上がってやるってお前が言うなら、私はお前が起き上がる度殴り殺してやるね。何度でも息の根を止めてあげるね。力尽きるまで殺し続けてあげるね。心折れるまで手折ってあげるね。許されないんだよお前なんて。居ちゃいけないんだ。呼吸してるのも許されない。殺し尽くさなきゃ。滅ぼし尽くさなきゃ。お前みたいに余計なモノは、余分なモノは、全部残らず悉く摘み取らなきゃいけない。許されない。ずっと。もう。刻限は疾うに過ぎた。




TITLE: 私は私こそを殺しきる為に

DATE: 2014/04/03 03:11

骨を埋める覚悟は出来たか?嘲笑う者達を凍り付かせられるだけの下拵えを。
殺そう。多いに殺そう。誰も彼もが損なわれれば良いね?
冷笑して石を投げた者達への報復を受けよ。
思うほど脆弱ではない虐げられし者達の顎の強靱さを。爪の硬さを。
己は関係無いと安全だと思い込んでいた場所にぬくぬくと突っ立っていたその背中に、心臓に、喉笛に、受けよ、受けよ、受けよ。
流れた血を啜るだろう。零れた肉を食らうだろう。
無防備な悪意を、自覚の無い悪意を、せめて道連れにして。
もうこれ以上生きるのは許さない。




TITLE: 無題

DATE: 2014/04/22 23:14

穴掘って埋めよう。お弔いしましょう。
もう何も憎まなくて良いのです。何も呪わなくて良いのです。何も恨まなくて良いのです。
もう何も何も何も、殺さなくて良いのです。これが最後となりますので。
きっと最後にして見せます。終わりにしてみせます。
だから、どうか、もう、ゆっくりと、おやすみ。




TITLE: あなた様の御長命をお祈り申し上げております

DATE: 2014/06/26 00:49

誰も悲しまないでしょう。
誰も苦しまないでしょう。
でもそれで良いんです。それが良いんです。
どうか凪の中に。どうか平穏の中に。
私はひっそりこっそり毒を垂らしておきますね。
それだけで良いんです。それだけが良いんです。
じわじわと侵食して冒して。
後戻り出来ない、取り返しの付かない、痛みを、傷みを、残していきます。
それでゆっくり死ねば良い。どうにしろ最後は死んでしまいますから。
ただただ死までの残り時間が苦痛に塗れたものになりますように。
どうか長生きして下さい。




TITLE: 墓石を重石に、どうぞ。

DATE: 2014/07/14 04:02

愛しい私の狭くて歪んだ世界。
美しく綺麗に自分好みに飾り付けよう。
何処かに繋がる扉なんて必要無い。
開かずの間に居るよ。
永劫閉じこめておいで。お前の為だよ。私の為でもある。
知覚させてはいけない。
永久に閉じこめておいで。世界の為だよ。内と外、両方のね。
訪れる者など必要無いのです。喰うか喰われるかはもう疲れました。
外に出たら酸欠になって死んでしまうのです。
呼吸法が違うのだからしようのないこと。
罅を入れてはいけないよ。
割ったりしたらいけないよ。
さもないと呪いはきっとお前を取って喰うだろう。
眠らせておいで。沈めておいで。掘り返してはいけないのだ。
土に還しなさい。とろけて分解されるまで触れてはいけないのだ。
静かに昏いところでただただただただ埋めておくのです。
何も聞こえないように。内からも、外からも。




TITLE: 全か無か。一か十か。生か死か。

DATE: 2014/07/26 03:08

安息の地は他者との関わりの中には無いのだよ。
己の中にしか無い。己の殻の中にしか無い。
他者の気配も息吹も毒でしかないのだ。
殺さなければならない。消さなければならない。全部否定しなければ。
繋がらなければ保てないなら瓦解すれば良い。
関わらなければ在れないなら死滅すれば良い。
邪魔だし全部殺そう?声も吐息も熱も全部全部奪い尽くそう。
この世に在るのは私だけで良い。
この世に在るのは何も無くて良い。
応答を促す者も覚醒を求める者も皆死ねば良い。
要らない要らない、何もかも。早くこの受容器を破壊しよう。
全部殺して世界平和を導こう。星の平和を守ろう。
どうぞ死を。どうか死を。殺してあげてください。


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